普通のサラリーマンの方で、副業として、または老後の蓄えを目的として、不動産投資を考える方は少なくありません。
不動産投資のための融資は全国区のメガバンク、地方銀行、信用金庫などからの借り入れが可能ですが、選択肢の1つに日本政策金融公庫があります。
この日本政策金融公庫を利用するメリットやデメリットについてお話しいたします。
不動産投資のために日本政策金融公庫で融資を受けることのメリット
日本政策金融公庫とは国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫が解体・統合されて設立された特殊会社です。
こういった背景から、国民にとって他の金融機関よりも有利な条件で融資を受けることができるというメリットがあります。
特に、女性または35歳未満若しくは55歳以上の男性の借り入れ条件が有利になっています。
日本政策金融公庫の最大のメリットは、金利が安く、しかも固定金利であるという点です。
不動産投資のための借入れでは変動金利の場合も多いため、現時点において金利が低かったとしても、将来的には金利が上がってしまうこともあります。
これに対して、日本政策金融公庫で融資を受けた場合は、相対的に低い固定金利が完済まで続くのです。
融資制度により金利は異なりますが、これはその担保評価額や個人の年齢、性別など債務者側の属性によってリスクが異なってくるためです。
いずれにしても、現在の低金利を活用しながら不動産投資ができる魅力的な融資といえます。
また、保証人をたてることが必須条件とはなっていないこともメリットです。
高額な借り入れですから、親や親戚でも保証人になることを敬遠しがちなところ、金利は多少上がりますが保証人なしでも利用することができます。
さらに、繰り上げ返済も可能で、しかも手数料がかからないのも大きなポイントといえるでしょう。
不動産投資のために日本政策金融公庫で融資を受けるデメリット
しかし日本政策金融公庫にはデメリットもあります。
それは返済期間が比較的短期間に限られるという点です。
そのため相応の頭金を用意しておくか、よほどの好物件でもない限り、完済までに毎月自己資産から持ち出しになってしまう可能性があります。
また、注意しておくべきは、日本政策金融公庫は原則として投資目的の融資は行わないという点です。
ただ、不動産投資も投資ではありますが、投機目的ではなく、家賃収入を得る目的の「不動産賃貸事業」に対する融資であれば可能となっています。
それゆえ、面談の時には「不動産投資」ではなく、「不動産賃貸事業」であることを明確に示すようにしましょう。
つまり、返済期限が比較的短期間に限られる硬直性と、投機目的では利用できないことが日本政策金融公庫を利用する場合のデメリットといえます。
まとめ
短期間で返さなくてはいけないという難題はありますが、利率のいい固定金利として条件そのものはとてもいいと言えます。
借り入れから返済までをよくシミュレーションしてみるといいでしょう。