総務省が2026年7月29日に発表した住民基本台帳に基づく人口動態で、栗東市は出生数から死亡数を引いた「自然増加」の人数・率ともに全国3位となりました。
栗東市の自然増加は144人、増加率は0.20%。東京都中央区の819人・0.44%、東京都港区の661人・0.25%に次ぐ結果です。
少子高齢化により全国的に自然減少が進むなか、出生数が死亡数を上回っている栗東市は、若い世代や子育て世帯の存在感が大きい地域といえます。
では、人口が増えている栗東市なら、どこに出店しても同じように需要を期待できるのでしょうか。
実際には、栗東駅周辺の住宅地、手原駅や市役所周辺、国道1号・国道8号などのロードサイド、工業・物流エリアでは、人の動きや求められる業種が異なります。
今回は、最新の人口動態と2025年国勢調査の結果を確認しながら、栗東市を「栗東駅周辺」「手原駅・市役所周辺」「国道沿い」「工業・物流エリア」に分け、出店や事業所開設の視点からご紹介します。
※画像は栗東市内の特定の場所を再現したものではなく、駅周辺のイメージです。
栗東市は自然増加数・率ともに全国3位
人口の増減は、大きく「自然増減」と「社会増減」に分けられます。
・自然増減:出生数から死亡数を差し引いたもの
・社会増減:転入者数から転出者数を差し引いたもの
2026年1月1日現在の住民基本台帳人口において、栗東市は自然増加が144人、自然増加率が0.20%となり、その数・率とも全国の市区町村で3位でした。
栗東市は、その背景として、交通利便性、比較的手頃な住宅価格、多様な賃貸物件、就職先の豊富さなどのバランスが、若い世代から評価されていると分析しています。
若い世代や子育て世帯が暮らす地域では、飲食、教育、医療、美容、物販、生活支援など、日常生活に関わる店舗やサービスの需要が生まれます。
2025年国勢調査でも人口が増加
滋賀県が公表した2025年国勢調査の速報値によると、2020年調査から人口が増加した市は次の3市です。
・草津市:4,818人増、増加率3.35%
・守山市:1,303人増、増加率1.57%
・栗東市:309人増、増加率0.45%
栗東市の速報人口は69,129人で、総人口の増加率は滋賀県内で3番目です。
さらに注目したいのが世帯数です。栗東市の世帯数は、2020年の26,688世帯から2025年には28,176世帯となり、1,488世帯増加しました。
人口の増加は309人ですが、世帯数はそれを上回る規模で増えています。このことから、単身世帯や少人数世帯を含め、世帯の小規模化が進んでいる可能性があります。
これはあくまで統計からの推測ですが、飲食、美容、医療、教育、生活支援など、日常生活に密着した店舗やサービスを考えるうえでは、人口だけでなく世帯数の増加も重要な材料になります。
人口増加だけで出店場所を決めてはいけない
人口が増えていることは地域市場にとってプラスの材料ですが、市内のすべての場所で同じように需要が増えるわけではありません。
栗東市には、JR琵琶湖線の栗東駅、JR草津線の手原駅、栗東インターチェンジ、国道1号・国道8号などがあります。
鉄道駅周辺の住宅・生活需要、幹線道路を利用する自動車需要、工場や物流事業所による事業者需要が共存していることが、栗東市の特徴です。
市の都市計画でも、栗東駅・手原駅周辺では商業や居住機能、幹線道路沿道では沿道サービス、国道1号沿いなどでは運輸・流通機能の維持・集積を図る方針が示されています。
栗東市の立地選びでは「車」と「生活圏」がポイント
栗東市の地域公共交通計画によると、市内の平日の移動手段は自動車の割合が高く、通勤時も自家用車が主要な交通手段となっています。
そのため、飲食店や物販店、来店型サービスでは、駅からの距離だけでなく、駐車場の台数、道路からの入りやすさ、看板の見え方が重要です。
一方、栗東駅周辺では集合住宅などの居住機能が集まり、徒歩や自転車で利用される店舗・サービスにも需要があります。
栗東市では、業種によって「駅前型」「生活密着型」「ロードサイド型」「事業者向け」のどこを狙うかを明確にする必要があります。
1.栗東駅周辺|住宅地の日常需要を取り込む立地
栗東駅はJR琵琶湖線の駅で、周辺には集合住宅や住宅地が広がっています。
駅利用者に加え、周辺住民の日常生活に関わる需要を考えやすいエリアです。通勤・通学の行き帰りだけでなく、子育て世帯や地域住民の継続利用を見込めるかがポイントになります。
相性を検討しやすい業種の例
・クリニック、薬局、整体院
・学習塾、各種教室
・美容室、エステ、リラクゼーション
・カフェ、テイクアウト、日常使いの飲食店
・地域住民を対象とするサービス店舗
駅に近くても、店舗の位置によって人の流れは異なります。改札から住宅地への帰宅動線、駐輪場、駐車場、道路の横断などを現地で確認しましょう。
2.手原駅・市役所周辺|行政・生活サービスとの相性
手原駅周辺には、栗東市役所をはじめとする公共施設や、金融機関、商業施設などがあります。
駅利用者だけに依存するというより、地域住民、行政機関への来訪者、周辺事業所で働く人など、複数の利用者を想定した立地です。
相性を検討しやすい業種の例
・事務所、営業所、士業事務所
・医療、福祉、生活支援サービス
・ランチ需要を対象とする飲食店
・学習塾、スクール、予約制店舗
物件を選ぶ際は、駅からの徒歩分数だけでなく、車での来店のしやすさや、平日昼間と夜間・休日での人の動きの違いを確認することが大切です。
3.国道1号・国道8号などの沿道|ロードサイド型店舗
栗東市は、国道1号・国道8号などの幹線道路が通り、栗東インターチェンジもある交通利便性の高い地域です。
ロードサイドでは、広い範囲から車で来店してもらえる可能性があります。反対に、交通量が多くても、中央分離帯や進行方向、交差点との位置関係によって入りにくい物件もあります。
相性を検討しやすい業種の例
・飲食店、テイクアウト店
・自動車関連、リユース、専門物販
・クリニック、デイサービス
・ショールームを兼ねた事務所
・広域から集客するサービス店舗
駐車可能台数だけでなく、駐車区画の大きさ、出入口の位置、右折入庫のしやすさ、看板の視認距離などを確認しましょう。
※画像は栗東市内の特定の場所を再現したものではなく、幹線道路沿いのイメージです。
4.工業・物流エリア|倉庫・事務所・事業者向けサービス
栗東市には工業団地や物流・運輸関連の事業所が集まる地域があります。
倉庫、営業所、作業所などでは、一般消費者の通行量よりも、高速道路や幹線道路へのアクセス、大型車両の進入、荷物の搬出入のしやすさが重要です。
物件選びで確認したい項目
・前面道路の幅員と大型車両の進入可否
・荷物の積み下ろしスペース
・建物の天井高、床荷重、シャッター寸法
・駐車場や従業員用スペース
・用途地域と利用できる業種
・周辺住宅への音、振動、においの影響
また、工場や物流事業所で働く人を対象とした飲食、弁当、車両、健康、生活支援などのサービスも、立地と運営方法によっては検討できます。
栗東市でテナントを選ぶときの確認ポイント
栗東市で店舗や事業所を探す際は、次の点を確認しましょう。
・主な顧客が徒歩、自転車、車のどれで来店するか
・必要な駐車台数を確保できるか
・平日・休日、昼・夜の交通量や人通り
・道路の進行方向と店舗への入りやすさ
・周辺住民向けか、広域集客型か、事業者向けか
・用途地域や建物用途が事業内容に合っているか
「駅から近い」「交通量が多い」という一つの条件だけで判断せず、想定する顧客の行動と物件の立地が合っているかを確認することが重要です。
まとめ
最新の住民基本台帳人口では、栗東市は自然増加数・率とも全国3位となりました。また、2025年国勢調査では、滋賀県内で人口が増加したのは草津市・守山市・栗東市の3市だけで、栗東市は人口が309人、世帯数が1,488世帯増えています。
人口減少が全国的な課題となるなか、人口と世帯数の増加は、栗東市で店舗や事業所を検討する際のプラス材料といえます。
ただし、栗東市は、駅周辺の住宅・生活需要、幹線道路沿いの自動車需要、工業・物流関連の事業者需要を持つ地域です。
店舗であれば駐車場と生活動線、事務所であれば顧客や従業員のアクセス、倉庫であれば道路条件と搬出入のしやすさが、物件選びのポイントになります。
テナントテラスでは、栗東市をはじめ滋賀県内の店舗・事務所・倉庫などの事業用物件をご紹介しています。「業種に合うエリアを知りたい」「駐車場や設備条件を確認したい」という方は、お気軽にご相談ください。
参考情報
・滋賀県読売会「年少人口割合全国2位・栗東市、自然増幅3位」













